RADIOISOTOPES
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中性子回折の基礎と応用(基礎9)
J-PARCにおける全散乱実験の展望
大友 季哉
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 60 巻 1 号 p. 35-46

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抄録

パルス中性子による全散乱測定は,J-PARCの強力なパルス中性子源を用いることで,液体や非晶質といった従来の全散乱測定の枠を超えた研究展開が可能である。全散乱装置として建設された「高強度全散乱装置(NOVA)」は,汎用粉末回折装置,低分解能小角散乱装置という側面を併せ持ち,多様な物質の構造解析を行う装置となる。全散乱法の得意とする不規則な構造の解析には,計算機を使ったモデリング,X線回折データの相補的利用が重要になるとともに,非弾性散乱実験への展開が物質の物性や機能と直結した構造情報をもたらすことが期待される。

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