2011年3月11日14時46分に東日本に巨大地震が発生し,その40分~1時間後に大津波が東北関東地区を襲ったが,これにより東日本大震災と名付けられた震災となった。地震と津波は,東京電力(株)福島第一原子力発電所で運転中の3基の原子力プラントの燃料溶融を伴う苛酷事故(シビアアクシデント)を生じさせた。これにより放射性物質が大気中へ放出し,発電所周辺住民の避難がなされた。この事故の収束への活動が始められたが,この事故から多くの教訓が得られた。事故の状況と事故収束のための東京電力や国等の取組み,教訓と対応をレビューし,最後にこの事故の基本的要因に関わる筆者の思いを記す。