2013 年 62 巻 4 号 p. 211-218
本研究では放射性セシウム汚染土壌の減容化技術の一つである酸抽出法を対象として,基礎的な知見及び粘性土への適用性を得ることを目的とした。
試験は,事故後9か月の時点で福島県内から採取した土壌を用いて,複数の条件で酸抽出試験を実施した。その結果,放射性セシウムの抽出効率は6mol/L-硝酸において24%~71%の範囲であり,砂質土(Sand)では抽出効率が高いが,シルト・粘土分が多い土壌では抽出効率が低くなる傾向が確認された。また,福島県内の水田に多い灰色低地土については50%程度の抽出効率となることが確認された。