2019 年 68 巻 5 号 p. 331-337
東京電力福島第一原子力発電所の事故により137Csや90Srなどの放射性核種が放出され,深刻な環境問題となっている。本研究では,水中に存在するCs+を吸着・回収するため,ポリ-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(PAMPS)ハイドロゲルを用いた技術を開発した。PAMPSハイドロゲルの架橋度の最適化により,高いCs+吸着能と低い吸水性を併せ持つゲルが誕生した。PAMPSハイドロゲル中のスルホ基(−SO3−)はCs+に結合し,汚染水中のCs+が効率よく除去される。本研究で開発したPAMPSハイドロゲルは優れたCs+除去材料であることが明らかになった。