RADIOISOTOPES
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全身オートラジオグラフィによる放射性化合物の生体内分布に関する研究 (第5報)
35Sおよび3H標識O-Butyroyl thiamine disulfideの生体内分布
高橋 忠男大塚 峯三吉川 正美佐藤 善重
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1967 年 16 巻 1 号 p. 37-47

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抄録
35S-BuTDSおよび35S-B1を用いてマウス腹腔内注射による全身オートラジオグラムからBuTDSは生体内取込みと持続性の点でB1よりすぐれていることが認められた。さらに3HでラベルしたBuTDSを静注, 腹腔注, 皮下注および経口投与を行ない, それらの取込み状態, 吸収経路を全身オートラジオグラムならびにその拡大写真上の所見から検索した。その結果4種類の投与法では静注がもっともすぐれ, とくに骨格筋, 心筋に多く取り込まれた。またオートラジオグラムと対応させて観察するために, 全身切片の染色写真および生体の固有ケイ光を紫外線励起によって生じさせてカラー写真に撮影し, これらを組織の同定に用いた。一方, 3H-BuTDSを白ネズミに静注し, 各臓器, 血球, 血漿への取込みおよび尿中排泄を経時的に液体シンチレーション・スペクトロメーターで測定し, B1のそれと比較した。その結果, 全身オートラジオグラムのデータときわめてよく一致することを認め, とくに血球への親和性がB1より著しく高いことが明らかにされ, 心筋ではBuTDS注射24時間後の値がB1注射の1.6倍, 筋肉では約4倍の取込みが認められた。
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© 社団法人 日本アイソトープ協会
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