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14C標識Centrophenoxineの合成とマウスにおける体内分布
三田 幸範貴志 昌高三奈木 康夫
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1967 年 16 巻 1 号 p. 29-36

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抄録

Centrophenoxine〔carboxyl-14C〕を合成し, マウスに経口ならびに静脈内投与, 吸収, 排泄, 体内分布を検討した。Centrophenoxineはきわめて吸収がよく, 経口投与の場合, 胃から急速に吸収された。体内分布は, 投与経路によらず全般に非特異的であり, 大部分が24時間以内に尿から排泄, 糞中排泄はわずかであった。脳へは, 静注の場合, 短時間では血液中に匹敵する放射能濃度を示したが, 経口投与の場合は少なかった。しかし, 経口で投与量を増加すればとりこみ量は顕著に増加した。Centrophenoxineの水解産物であるp-chlorophenoxyacetic acidを経口投与した結果は, Centrophenoxine経口投与とほぼ同様であった。ペーパークロマトグラフィの結果, 尿中代謝物として, Centrophenoxineとp-chlorophenoxyacetic acidとを検出した。

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