1978 年 27 巻 5 号 p. 245-250
103Ruの腫瘍親和性について, 103Ru-chlorideと103Ru-citrateの担がん動物における全身クリアランス, 臓器組織分布を比較し検討した。103Ru-chlorideは103Ru-citrateに比べて緩徐な体外排泄を示し, 腫瘍集積率も高かった。腫瘍/筋肉比では103Ru-chlorideが優れていたが, 腫瘍/血液比は103Ru-citrateが優れていた。103Ru-chlorideと103Ru-citrateでは103Ruの生体内挙動に異なる点が見られたが, 腫瘍診断への有用性という面からは著明な差は見られなかった。