1981 年 30 巻 11 号 p. 590-595
抗炎症剤2- (4- (2-チエニルカルボニル) フェニル) プロピオン酸 (スプロフェン) のヒトおよび動物における代謝をイオンクラスタ法で検討するために, スプロフェンの重水素多重標識体を合成した。スプロフェンーd4はプロムペンゼンーd5から10ステップの反応を経て総収率32%で得られ, その重水素含量は99atom%であった。スプロフェンーd4をd (+) またはl (-) -α-メチルベンジルアミンを用いて光学分割したところ, d (+) またはl (-) -スプロフェンーd4 (96.5atom%D) が収率11%で得られた。一方, スプロフェンーd7 (99atom%D) はトルエン-d8とヨウ化メチルーd3から5ステップの反応を経て収率24%で得られた。