1982 年 31 巻 10 号 p. 521-528
2検出器回転型の全身カメラシステムにより骨のsingle photon emission computed tomography (ECT) を施行して臨床的に有用性を検討した。腫瘍性病変を主として217個所についてECTを行い, conventional法によって得られた像とともに検討した。
横断断層像は, とくに顔面骨において骨の重なりが除かれるため, conventional法よりもしばしばすぐれた結果を示し, 腫瘍の局在や進展の診断に有用であった。椎骨においても, conventional法に加えることにより細かい局在診断の情報が得られた。骨と軟部組織が分離できることも特長であり, 99mTcリン酸化合物を静注して早い時間でも良好な画像を得ることができた。通常の検査にECTを加えることにより診断的に有用な情報が得られた。