1982 年 31 巻 9 号 p. 459-462
ラット3'-methyl-4-dimethylaminoazobenzen肝がんへの67Ga-citrateの取り込みについて研究を行った。腫瘍の67Ga摂取比, 切除標本, オートラジオグラフィ, 組織標本について比較検討を行った。腫瘍の67Gaの摂取比は, 対照群に比して1.6から7.2倍 (平均4.4) と増加していた。腫瘍の大きさに関係なく, 肝がんにおける67Ga-citrateの分布は, マクロオートラジオグラフィで, 腫瘍の中心部よりも辺縁部に多く認められた。組織学的に, 腫瘍細胞の変性は腫瘍の辺縁部では少ないか, あるいはまったく認められなかった。一方, 腫瘍の中心部では, 腫瘍細胞の変性は強くみられた。67Ga-citrateは, 腫瘍細胞の変性が少ないか, あるいは欠如した部位に強く取込まれていた。しかしわれわれは, 67Ga-citrateが結合した具体的な部位を証明することはできなかった。