Thyroid Subtraction Scintigraphy (²⁰¹TlCl, Na¹³¹I) による²⁰¹TlClの動態分析

抄録

甲状腺における²⁰¹TlClの動態分析およびその臨床応用を目的とし, 1982年12月より²⁰¹TlClおよびNa¹³¹Iにて検査した症例で, 臨床的に確定診断のついている108症例を対象に検討した。²⁰¹Tlと¹³¹Iによるサブトラクション像をもとに, その陽性および陰性領域に関心領域 (ROI) を設定し, 各ROIでの²⁰¹Tl動態曲線を描かせた。¹³¹I集積領域における動態曲線のT_max, T_1/2, T₁₅値と¹³¹I摂取率, 血中T₃, T₄値との相関を求めた結果, ²⁰¹TlのT₁₅値と¹³¹I摂取率との相関係数はr=0.70となり, 比較的よい相関が得られ, ²⁰¹Tl集積機序の1つの因子として甲状腺機能との関連が示唆された。また各症例のシンチグラム像をもとに, 疾患別²⁰¹Tl集積像の検討も加え報告した。