1987 年 36 巻 10 号 p. 505-511
99mTc標識腫瘍親和性物質の開発を目的として273種類の薬剤をスズ還元法により標識し, ラット吉田肉腫を用いてスクリーニングした結果, イソニアジド (INH) にその有用性を見出した。標識法を硫酸第一鉄-硫酸還元法に変更して検討したところ, 腫瘍集積性の改善が認められ, 67Gaに勝る腫瘍描出が得られた。マウスエールリッヒがんやザルコーマ180においても同様の腫瘍集積性が見られた。99mTC-INHは十分臨床応用が期待される放射性医薬品である。