1993 年 42 巻 7 号 p. 393-398
ポリエチレンをバインダーとして成形したアラニン線量計にγ線を照射し, 生じたラジカルの量を内部変調磁場型のESR装置により測定するさい, 素子内のアラニンの不均一分布のため, 素子をその軸のまわりに回転するとESRレスポンスが数%変動する。これを回転角度依存性と呼ぶこととする。回転角度依存性が正弦関数的であることに着目して, 回転角度依存性低減方法の可能性を実験的に詳しく検討した。その結果, この方法を適用すると, 均一に照射した同一ロットの素子間のレスポンスの変動係数が1%程度以内に収まることが確かめられた。