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32Pを用いた冠状動脈血管内放射線治療における従事者被曝
福田 篤志北林 啓太郎岩舘 美晴山口 一郎
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2003 年 52 巻 7 号 p. 327-334

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抄録

冠状動脈疾患の治療法として32Pを用いた血管内放射線治療が注目されている。この治療を安全に行うには, 術者の被曝線量を推計する必要がある。そこで、患者体外の線源移送中においては70μm線量当量により術者へのβ線被曝を推計した。また線源挿入後は, 1cm線量当量を用いて制動放射線に対する術者被曝を推計した。
その結果, 本治療法における1回あたりの術者の1cm線量当量は2μSvであり, 通常のX線を用いた検査や治療に比べて少なかった。しかし, 患者の体外を移送中 (7秒間) の線源からは70μm線量当量率で100μSv7秒間と比較的高線量率のβ線被曝があるため, 線源から距離をおくか遮蔽を考慮すべきであると考えられた。

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