RADIOISOTOPES
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3種シンチレータによるモニタリングポストの方向計測特性
山野 俊也小林 祐介原 雅樹白川 芳幸
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2006 年 55 巻 11 号 p. 671-678

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抄録

モニタリングポストは, 原子力施設における放射線及び放射性物質の漏えい監視のために有用な装置である。この装置は空間線量率 (μSv/h, nGy/h) や計数率 (cpm, cps) のデータを定期的に提供するものである。著者らはこのようなデータの他に原子力事故の早期の発見, あるいは異常データの的確な解釈に有用なγ線の飛来方向を計測できる新型のモニタリングポストを試作した。この検出器は, 扇形をしたNal (Tl) , CsI (Tl) , BGOの3種類のシンチレータと光電子増倍管より構成される。飛来方向によって, それぞれのシンチレータが作る光電ピークの計数が変化することを利用したものである。低エネルギーの241Am (60keV) , 中エネルギーの133Ba (356keV) , 137Cs (662keV) , 高エネルギーの60Co (1250keV) を用いて, 電磁カスケードモンテカルロシミュレーション (EGS) , 及び実験によってエネルギー領域ごとの方向計測感度の特性を評価した。この結果, 本検出器は広いエネルギー領域においてγ線の飛来方向を計測できることが確認された。

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© 社団法人 日本アイソトープ協会
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