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飲用水中におけるラドンの除去手法ならびに定量的解析
楢崎 幸範安岡 由美志野木 正樹石川 徹夫床次 眞司
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2006 年 55 巻 11 号 p. 679-686

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抄録

地下水起源の飲用水中には高濃度のラドンが含まれることがある。飲用水中のラドンは, 人に対して健康被害をもたらすことも認められている。この水中に存在するラドンの濃度を低減させる目的で, 浄水器, 加熱, 曝気及びくみ置きについて, 飲用水中からのラドンの除去効果を検討した。 (1) 家庭用浄水器: ろ過材に粒状活性炭を用いた浄水器では, 短期間の除去効果は認められたが, 処理水量が増えるほどラドンの除去率は低下した。 (2) 加熱: 水中のラドン濃度は, 水温とともに減少し, 沸騰が開始するとラドンはほとんど除去された。 (3) 曝気: 空気を水中に分散させることによって, 効率の良いラドンの除去効果が得られた。ラドンの除去率は, 通気量とともに指数関数的に増加した。 (4) くみ置き: 蓋をしない容器中のラドン濃度は徐々に低下した。ラドンの除去率は水と空気との接触面積の大きさ, 容器の形状や深さに関係した。沸騰や曝気のように激しく界面が乱れ, 水中からの泡立ちがラドンの除去には効果的であった。

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