鉄道工学シンポジウム論文集
Online ISSN : 2759-1492
鉄道工学シンポジウム論文集
論文 地中部の振動寄与率に基づく構造物の減衰定数を考慮した鉄道高架橋の設計
石川 太郎牧野 敦綿引 泰治坂井 公俊進藤 良則
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 28 巻 1 号 p. 176-183

詳細
抄録

 延長の長い線状構造物である鉄道構造物の設計において,一般的な鉄道橋脚やラーメン高架橋は,多くの場合,単純な1質点系に置き換えた非線形応答スペクトル法により耐震設計を行っている.この手法で通常用いられる所要降伏震度スペクトルでは,系の減衰定数としてh=0.04/T(0.1≦h≦0.2)を想定しており,応答値もそれに対応したものとなる.近年の研究で,構造物の1次モードの地上部と地中部の振幅比から減衰定数を評価し,非線形応答スペクトル法の枠組みに取り込んでL2地震時の応答を評価する手法が提案されている.今回,本手法を適用して整備新幹線の高架橋の設計を行った.その結果,通常の所要降伏震度スペクトルを用いた場合と比較して設計が合理化される傾向を確認した.

著者関連情報
© 2024 公益社団法人土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top