鉄道工学シンポジウム論文集
Online ISSN : 2759-1492
鉄道工学シンポジウム論文集
論文 高頻度に塗り重ねた鋼鉄道橋塗膜の付着性および硬度の複数時期比較
藤本 大輝坂本 達朗吉田 幸司他谷 周一三條 剛嗣
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 29 巻 1 号 p. 93-100

詳細
抄録

 我が国の鋼鉄道橋の塗装塗替えは,劣化した塗膜を除去し,活膜を残して塗り重ねることが一般的である.そのため供用年数が長い鋼鉄道橋では,塗膜厚が増加し,内部応力が増加するほか,経年により塗膜が硬脆化することで塗膜に割れ・剥がれの発生が懸念されるが,塗膜の付着性および硬度を複数時期で比較した事例は少ない.そこで,1960年代に供用を開始し高頻度に塗り重ねられた鋼鉄道橋を対象に,二時期で外観調査と塗膜履歴調査,付着性評価試験の実橋調査を行うとともに,塗膜各層の押し込み硬さを室内試験で測定した.その結果,わずかに塗膜割れが確認されたが,大部分の塗膜は十分な付着力を有し,大面積での塗膜の剥がれは確認されなかった.一方で,塗膜の付着力は低下傾向にあり,最下層の鉛丹さび止めペイントが硬化傾向にあることがわかった.

著者関連情報
© 2025 公益社団法人土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top