2026 年 30 巻 1 号 p. 95-102
東日本旅客鉄道株式会社における軌道保守計画は,定期検査の結果に基づき保線センターごとに策定しているが,担当者の経験に依存しているため最適性を評価する指標の構築が課題となっている.本研究では,最適化プロセスの第1段階となる軌道状態のリスク評価指標について検討するものである.先行研究では,生存時間解析により技術者の経験的な知識を可視化できる可能性を示した.今回の研究では分析対象保線センターを拡大するとともに,各種軌道設備は機能性でカテゴリ集約して解析した.また,軌道修繕の保守作業履歴を考慮し,各追跡期間は保守後に再起点が設定される形で解析した.さらに,動的生存時間解析を適用して生存率の予測に共変量の時系列変化を考慮した.本稿では分折結果と2~3年後の生存率予測精度について報告する.