1996 年 18 巻 2 号 p. 162-167
"故障ゼロ"というのは最も簡単な信頼性技術の思想である。たまたま, この考え方は松下幸之助氏によって昭和6年に思いつかれたことが判った。一方, 我々がアメリカから学んだ信頼性技術は故障が存在することを前提としている。日米二つの信頼性の歴史を振り返ってみると, そこには巨大システムの信頼性と量産品の信頼性という基本的違いがある。これ等のことを本論文では論じ, 前者は抜取りにより良品を選別する方法であり, 後者は故障原因を1つづつ取り除く方法と結論している。