小型直流ブラシ付モータには高性能が要求されている。そこで問題になるのはブラシ・整流子の信頼性であった。接点表面に黒化物(ブラックパウダ、ブラウンパウダ)その他による接触不良である。筆者らは、よく燃えるガス、すなはち多価アルコールが接点近傍雰囲気中に数ppmあれば、接点表面に吸着して黒化物生成を防止し接触安定性を保つ効果のあることを明らかにした。この気相潤滑剤の原理に基づき、60℃・5%RH条件下で接点寿命を30倍に伸ばし、シリコーンガスに対しても効果のあることが判明した。1報では実験から結果及び考察のうち潤滑特性と吸着を含む化学特性について述べる。