抄録
近年, 安全規格の国際的統一化が急速に進められている。これによれば, 危険性をリスクで表し, 安全はリスクを許容できる限界まで下げることだとされる。リスク評価(確率論)に基づく安全の判断が品質確保の目的で規定されているのに対して, ここでは, さらに労働者(操作者)が事故の惧れから解放されるという直接的な「安全」の定義を行い, これが, 従来の確率論でなく, 確定論的な信頼性の中で検討されるべきであるという考え方を改めて示す。さらに, その可能性について高齢者支援装置の安全確認システムの例を用いて説明する。