抄録
冗長システムの自己組織化や故障に対するシステムの自己修復機能は, フォールトトレランス(耐故障)の観点から極めて重要視されている.本論文では, 発見的自己組織化の原理に基づいた学習機械であるGMDHネットワークを適用することによって, ソフトウェア製品の最適な出荷スケジュールを生成するためのアルゴリズムを提案する.信頼性あるいは経済性を考慮した上で安定した品質のソフトウェアを市場に供給するためには, ソフトウェアのテスト段階において得られた故障データから将来におけるソフトウェア故障の発生頻度を予測し, 最適なソフトウェア出荷スケジュールを立案する必要がある.ここでは, GMDHネットワークに基づいた適応アルゴリズムと従来から用いられてきたソフトウェア信頼度成長モデルによる方法を比較し, ソフトウェア最適出荷問題における自己組織化原理の有効性について検討する.