抄録
油圧や空気圧を利用する流体技術は,簡単な直線運動や高速で力が必要な機械設備に広く適用されている.そのような機械に関連する人に対するリスクは大きく,機械の設計者や製造者にはリスクを低減するために様々な安全方策を講じなければならない.そのため,機械の基本安全規格に基づいて,油空圧システム特有の基本安全原則を考慮した設計が要求される.さらに,従前より十分吟味されてきた安全確保技術が適用されることによって,油空圧システムの本質安全化とリスク低減化が実現される.また,油空圧制御回路においても,リスク低減に必要な安全性能が規定されており,安全関連要素である弁の選択や接続の方法により高リスク対応のシステム設計が可能となる.