2004 年 26 巻 4 号 p. 309-315
半導体技術の目覚しい進歩の中で,最新のプロセスを用いたLSIでは信頼性保証のあり方が大きく変わろうとしている.従来のプロセスを用いたLSIでは機能保証あるいは品質保証が信頼性保証に要求された大きな要求保証であった.しかし最新のプロセスを用いたLSIでは動作保証という当たり前の保証が大きな要求保証になっている.これはLSIに限らず当然の要求保証であるにもかかわらず,この保証の難しさが日に日に増している.ここでは動作保証という当たり前の保証がなぜクローズアップされるのかを説明する.そしてこの保証のために相当ハードルの高い知識と能力が要求されていることにふれ,今後のLSI進歩はこれらの知識と能力を吸収することがどれほど重要であるかについて説明する.また同時に,この知識と能力を消化吸収することがLSIの進歩のみならず,今後の信頼性保証の技術的あるいは学問的な発展の原動力になることを説明する.