日本信頼性学会誌 信頼性
Online ISSN : 2424-2543
Print ISSN : 0919-2697
ISSN-L : 0919-2697
建築構造物の安全性向上に向けて(建築と信頼・安全)
勅使川原 正臣
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 27 巻 1 号 p. 8-14

詳細
抄録

飛行機や自動車の構造安全性は実物の破壊実験により検証が可能であり,常時何らかのモニタリングがなされ安全性の維持がなされている.それに対し,建築物構造の信頼性は構造物の個別性により構造計算という手法で検証せざるを得ない.もちろん建築構造物においても,構成材料や個別の部材,例えば,柱,梁,耐震壁等,の破壊実験は可能であり,それらの性状は試験における境界条件の範囲中で明確にされている.しかし,構成部材の集合としてのシステム安全性の確認は不十分と思われる.その上,建築構造物は,個別の地盤の上に建設されるという個別性があり,地盤に固定されているため,あらゆる荷重・外力(地盤変状を含む)から逃れられない状況にある.ここでは,建築構造物の構造安全性向上に向けた観測・計測体制強化の必要性と観測結果の利用法を述べる.

著者関連情報
© 2005 日本信頼性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top