2007 年 29 巻 2 号 p. 91-98
現在,宇宙航空研究開発機構では,宇宙航空開発に携わるエンジニアに対し,システム安全のエンジニア教育を実施している.宇宙航空システムに代表される大型かつ複雑なシステムでは,開発,設計段階のみならず製造,試験,運用に至るまでのライルサイクルの全てにわたり的確なシステム安全活動の実施が安全かつ確実にミッションを達成させることになる.的確なシステム安全活動遂行のために様々な活動を実施しているが,本稿では2004年度から実施しているシステム安全活動の活性化を目標とした宇宙航空開発のエンジニア対象教育について,教育プログラムの構築,教育概要について報告する.システム安全活動の活性化のためのエンジニア教育では,教育実施側からの一方向の情報伝達ではなく,教材の常時最新化,ドライラン実施等の事前の十分な準備とともに,講師/受講者間の双方向の議論,教育結果のフィードバック,教育後のフォローが必要である。