日本信頼性学会誌 信頼性
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デジタル時代における放送システム(社会システムの信頼性)
春口 篤
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2007 年 29 巻 3 号 p. 156-162

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抄録

放送は1925年(大正14年)のラジオ放送, 1953年(昭和28年)のテレビジョン放送の開始以来,私達になくてはならない社会インフラとして成長してきた. 20世紀末,放送はデジタル化という劇的な変化を遂げ, 2011年(平成23年)にはアナログテレビジョン放送は終了し,テレビジョンサービスはすべてデジタル放送サービスに移行する.わずか20年前まで,放送局システムは,アナログ信号を基本とするシステムであった.コンピュータが一般的に利用可能になると,デジタル化が進行し, 2000年には放送局から家庭の受信機まで,トータルとしてのデジタルサービスが実現した.放送局ではアナログからデジタルへの変革のなか,デジタル放送においてもアナログ放送で築き上げた安定で信頼されるサービスを実現するため,さまざまな試行錯誤を繰り返し,今日に至っている.本稿では,放送局におけるデジタル化の経験をもとに放送システムがアナログからデジタルに移行する過程での課題を提起し,今後,放送局システムがどのように変化していくのかについて考察をする.

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© 2007 日本信頼性学会
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