日本信頼性学会誌 信頼性
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ディペンダビリティに関連する国際規格の動向(<特集>信頼性に関する国際規格の動向)
夏目 武
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2010 年 32 巻 4 号 p. 196-199

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抄録
最近のディペンダビリティに関連する国際規格の動向について概観する.ディペンダビリティに関する国際規格はIEC/TC56-Dependabilityが担当している.ディペンダビリティは信頼性と保全性及び保全支援の性能が統合的機能的に融合した特性であり,統べての産業領域とその生産物に関連する.近年はシステムの機能構成単位としてのソフトウェアが進展していること,製品のライフサイクルとその耐用寿命を短くする市場要求,半導体産業の発達による安定したデバイスとその応用製品の普及,製品保証から補償でもビジネスリスクが受け入れられること,ネットワーク関連技術の進歩はシステムの開放型が進み,幾つかのシステムが統合した新たな統括オーナーのいないシステムが発生していること,原子炉,堤防,水門設備等半恒久的施設などの延命化の動き,アイテムの故障そのものの影響よりも派生する人身障害事故が多発していること等々,ディペンダビリティに関連環境が変化していることを観察する.これらは国際規格の動向に直接的間接的に影響している.これらの変化を踏まえて,問題提起と主題の解説を行う.
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© 2010 日本信頼性学会
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