日本信頼性学会誌 信頼性
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ソフトウェアのディペンダビリティに関連する国際規格について(<特集>信頼性に関する国際規格の動向)
夏目 武
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2010 年 32 巻 4 号 p. 216-219

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抄録
ソフトウェア製品またはシステムのディペンダビリティに関連する国際規格の動向及び課題について概観する.国際標準機構ISOとIECの規格群の中でディペンダビリティに関する国際規格はIEC/TC56-Dependabilityが担当し,責任を担うことになっている.ディペンダビリティは信頼性と保全性及び保全支援の性能が統合的機能的に融合した特性であり,統べての産業領域とその生産物に関連する.近年はシステムの機能構成単位としてのソフトウェアが進展していること,開放型分散システムが幾つかの適用システムとして結合した新たなシステムを形成し,社会的な機能単位として普及していること,ネットワーク関連技術の進歩のもとに,幾つかのシステムが統合した新たな統括オーナーのいないシステム集合体としてのシステムが発生していること,ソフトウェアアイテムによる故障要因は錯綜した系の深層に内在し,初期稼動開始時でのシステム試験では見出せないこと,ある特殊な条件と環境状況で故障として顕在化するときシステム障害は,先に見た複合システムの下に大きな社会的影響に見舞われること等々,ディペンダビリティ関連環境が変化していること,規格面からの対応が不十分であること等を観察する.これらの課題と関連国際規格の動向についてこれらの状況を勘案し,主題の解説と問題提起を行う.
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© 2010 日本信頼性学会
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