日本信頼性学会誌 信頼性
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電力会社における通信網の信頼性確保に向けた研究について(<特集>通信システムの信頼性)
山下 育男
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2011 年 33 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

電力会社の通信網は, 発電所から変電所や送配電線を経てお客さまに至るまでの, 広域にわたる電力系統網の監視制御を支えるものである.このため単なる故障はもとより, 大規模な自然災害時にも情報伝送を維持できるよう信頼性を確保する必要がある.さらに高いネットワークセキュリティが保証されなければならない.このため装置やシステムを冗長化し, 伝送路を完全に2ルート化して設備を構築するとともに, 24時間態勢で通信網監視を行っている.また社内情報化の進展につれ, 今後は大容量の光通信や高速無線通信の新規導入も予想される.このような中, 我々研究所では, 通信機器を積載した19インチラックを震動台に載せ, 実際の地震波での加震による耐震強度評価や, 高圧変電所に無線LAN装置を設置して実環境での伝送特性測定を実施してきている.またネットワークを流れるデータをキャプチャして不正接続端末を検出する手法の開発を行っている.さらに将来の超高速光通信に向け, 伝送路特性をリアルタイムに評価し光通信を最適制御する技術にも取り組んでいる.

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© 2011 日本信頼性学会
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