日本信頼性学会誌 信頼性
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学校教育でのプロセスの学びと問題解決力の育成(信頼性・安全性に関わる人材育成・教育の課題)
鈴木 和幸
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2013 年 35 巻 2 号 p. 76-83

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抄録

信頼性・安全性の作り込みに対し,法的規制も重要であるが,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を有する人材を育てることも不可欠である.またこれらは変化の激しい社会において必須のものである.この"生きる力"は初等中等の学校教育において育むべきものであり,このような一連の問題解決のプロセスを,教科の学習のみならず,「総合的な学習の時間」や教科横断的な学習を通して習得させていくことが必要である.しかし現状は,教師自身がその必要性の認識と経験に乏しく,プロセスに焦点を当てた指導が十分になされているとは言い難い.教師自らが一連の問題解決プロセスを習得することが必須であり,教職課程の必修科目として,問題解決プロセスの深い理解と,教材作成及び授業設計の能力の育成を目的とした科目を設置することを提案する.既に我が国の初等中等教育におけるエビデンスに基づく問題解決能力の育成は,欧米諸国に大きく遅れをとっており,国際競争力再興に資する人材育成のために,産・官・学が一体となって取り組むことが急務なためである.

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© 2013 日本信頼性学会
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