2013 年 35 巻 2 号 p. 84-88
信頼性技術者として必要な知識と技術を如何にして身につけるか,如何にして授けるかを,筆者の経験にもとづいて記した.知識の大枠は日科技連主催「信頼性セミナー基礎コース」のカリキュラムをもとに記した.「初級信頼性技術者」となるにはこのレベルの知識が必要である.さらに知識を深め,固有技術に関連した信頼性の知識や技術を習得するには,企業独自の教育やOJT(on-the-job training)が欠かせない.「中級信頼性技術者」としての最低レベルに達するにはここまでの自己研鑽が必須である.自己研鑽の例として,職場は最高の教育機関であること,基礎教育は日科技連「専門コース」や社内の固有技術の教育を利用したこと,失敗も最高の教育であること,顧客クレームも最高の教育であること,国際会議を機会に他企業を訪問し武者修行したこと,社外の委員会や研究会で刺激を受けたことなどを記した.人材育成の例として,日科技連の「専門コース」,「基礎コース」や「信頼性技法実践講座」の各種コース,企業内での固有技術関連の信頼性技術に特化したコース,OJT,各種セミナー,シンポジウム,委員会,研究会などの実際を記した.