日本信頼性学会誌 信頼性
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安全とオートメーションの産業用通信プロトコル : イーサネットシステムSafetyNET pの産業用途における技術的特長と通信の信頼性への貢献(高信頼・高安全なシステムを支える通信の要素技術とその応用)
ストライプ ヨッヘン
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2014 年 36 巻 6 号 p. 344-350

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抄録

産業現場における現場機器とコントローラ間の信号のデジタル伝送を担うフィールドバスは,高安全・高信頼な産業機械制御の実現に大きく寄与してきた.近年では,コンピュータネットワーク規格として広く普及しているイーサネットをフィールドバスに適用した産業用イーサネットに関する研究・開発が盛んに行われている.このような背景から,Pilz GmbH & Co. KG社によって産業用リアルタイムイーサネットシステムSafetyNET pが開発された.この通信プロトコルでは,オートメーション制御,安全制御,モーション制御,診断および視覚化に対して1つの通信ソリューションで対応することを目的とするとともに,安全度水準(SIL)3およびパフォーマンスレベル(e)までの安全アプリケーションでの使用を可能とする.また,従来のフィールドバスと異なり,分散型制御の採用やイーサネットの採用による柔軟なネットワーク構築を可能とし,産業機械,自動車,発電所などのさまざまな産業に広く適用できる.本稿では,SafetyNET pで実際に採用されている具体的な通信技術を紹介し,産業用途における通信の信頼性への貢献について解説する.

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© 2014 日本信頼性学会
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