2015 年 37 巻 3 号 p. 111-115
本稿では,建築物の火災防護に用いられる設備の信頼性に注目し,火災感知器の信頼性の確保が困難な理由,機器の改善によってどのような変化があったかを明らかにするとともに,変化しない部分の問題点を述べた.さらに火災時に閉鎖することで火災の進展を抑える防火扉,防火シャッターで信頼性確保のために導入された定期検査制度が,信頼性の確保に必ずしも有効に働かない状況を説明し,これを求められる信頼性の下限を定めるように改善して,点検結果から防火設備の作動信頼性を推定する手法を提示した.これにより信頼性が高い対象物では点検間隔の延長を図ることもできる.