2015 年 37 巻 3 号 p. 116-125
橋梁や道路といった社会基盤施設を維持管理していく上で,施設に重大な劣化・損傷が発生した場合に,それらをできる限り早期に発見することは重要な課題である.本研究では,社会基盤施設に対する長期モニタリングデータを維持管理の実務へ有効活用することを目指して,社会基盤施設に発生する異常を早期検知するための方法論を提案する.具体的には,加速度センサーから得られる固有振動数を時系列モデルとして表現し,それに統計的変化点検出の手法であるChange Finderを用いて,施設に重大な劣化・損傷が発生する時点をリアルタイムに判断する方法論を提案する.また,提案手法の有効性を実際の高架橋部材への適用を通して検証する.