日本信頼性学会誌 信頼性
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指差喚呼体感訓練ソフト-SimError(指差喚呼編)(安全における人材育成・教育指導)
中村 竜
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2016 年 38 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

指差喚呼は,鉄道業界で古くから行われてきたエラー防止手法であり,現在では鉄道以外の産業分野にも広まっている.指差喚呼のエラー防止効果は,複数の実験により検証され,現場では指差喚呼の重要性が繰り返し指導されている.それにも関わらず,現場では指差喚呼の形骸化を危惧する声が聞かれる.鉄道総研では,形骸化を防ぐためには,指差喚呼のエラー防止効果を実際に体感することが重要であると考え,指差喚呼体感訓練ソフト-SimError(指差喚呼編)を開発した.本ソフトでは,5つの課題を通して,指差喚呼の実施によってエラーが防止できることを体感する.この訓練ソフトは集団研修で用いることを想定しており,研修では,まず,各研修参加者がSimErrorを用いて指差喚呼のエラーの防止効果を体感し,次に講師がエラー防止のメカニズムを解説し,最後に,学んだエラー防止効果が実際のどのような作業におけるエラーを防止できるのかについて参加者同士で議論する.

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