日本信頼性学会誌 信頼性
Online ISSN : 2424-2543
Print ISSN : 0919-2697
ISSN-L : 0919-2697
低炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーを利用した電力供給の安定化と蓄電池技術の活用
池谷 知彦
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 39 巻 1 号 p. 2-7

詳細
抄録
地球温暖化は,喫緊の課題であり,我が国も一層の低炭素社会の構築に向けた行動を継続的に進める 必要がある.しかし,着実な経済成長や安心した生活には,高信頼・低コストで,安定した,電力など エネルギーの供給が不可欠である.地球温暖化対策に加えて,自国エネルギーとして期待される再生可 能エネルギーの導入促進が進められている.一方で,電力供給の安定化において,急速な大量導入によ る課題も顕在化してきている.不安定な再生可能エネルギーを積極的に活用した電力系統の安定供給へ の対策には,電力貯蔵技術への期待が高まりつつある.大容量蓄電池システムの設置にも課題もあり, デマンドレスポンス(DR)やネガワット(Negawatt)等も活用したバーチャルパワープラント(VPP) の活用が提案され,その実証事業が始まった.低炭素社会の実現に向けて,電気自動車やヒートポンプ などの高効率エネルギー利用技術と低炭素電源の組み合わせは,相乗効果もあり,低炭素社会実現に重 要である.電力系統安定化のための課題と,電源の低炭素化に寄与する電力貯蔵技術への期待を解説す る.さらに,低炭素社会実現に向けて注目される蓄電技術・二次電池技術の期待・課題を解説する.
著者関連情報
© 2017 日本信頼性学会
次の記事
feedback
Top