抄録
多くのシステムは運用とともに劣化していく。劣化が進行して限界を越えて故障が発生すると、社会の 安全に甚大な影響を及ぼす恐れがある。安全な社会を持続させるためには、システムへ適切な時点で適切 な保全を実施して、故障やトラブルを未然に防がなければならない。本稿ではシステムの予防保全の中か ら、対象の劣化情報に基づく保全、点検結果に基づく保全、劣化情報が取得困難な場合の保全の3つを紹 介する。いずれの場合にも、取得したシステムの劣化情報やとりまく環境の情報、そして測定精度を考慮 して、保全費用と故障損失のトレードオフを実現するように保全の実施時期と内容を最適化問題を解いて 計画する。