2020 年 42 巻 1 号 p. 2-9
自動運転に向けた安全の考え方とその標準化について展望している.まず,自動運転に向けたリスクアセスメントとリスク対応とに必要なリスクの分類方法,機能安全及びSOTIFについて述べている.次に,機能安全が不具合リスク・メタリスクを,SOTIFが限界及び対象外リスク・メタリスクを対象としてリスク対応を可能とさせることを論述している.また,自動運転における多重防護層の各層への人工知能(AI)実装の可否について考察している.最後に,当該多重防護層に関して,具体的な危険事象率の推定とSILの決定方法を提示し,自動運転の普及にともなう危険事象率の推移を推定している.