2020 年 42 巻 2 号 p. 79-85
近年のソフトウェア開発では欧米を中心にアジャイル開発がメインストリームになりつつある.また日本国内でもアジャイル開発が,常に変化する顧客ニーズへの迅速な対応に成果を上げており,特にWebアプリケーションやWebサービス開発などを中心に広がっている.ただし,アジャイル開発における品質保証はまだ世の中に確立されていないように思える.
本稿では開発プロセスがアジャイル開発であっても品質保証プロセスにおいてJIS X 25010:2013で定義されている品質特性を利用し品質保証プロセスの指標として活用することにより,最終的な成果物が第3者に対して説明可能な製品品質であることの判断を可能とすることを目的とする.
また,プロジェクト計画時に戦略的なテスト計画を策定し,アジャイル開発プロジェクトの進行と共に品質が確保され,段階を経て品質を積み上げる仕組みを提案する.