日本信頼性学会誌 信頼性
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展望 「ビッグデータ時代の品質と信頼性」
エフェクチュエーション理論とデータ駆動意思決定への融合
森出 茂樹
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2020 年 42 巻 6 号 p. 276-283

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抄録

「エフェクチュエーション」とは,2008年にインド出身の経営学者,サラス・サラスバシーが体系化した「優れた起業家が用いる意思決定の理論」である.優れた起業家の特徴は生まれ持った気質や性格,環境,時代背景などによって説明されることが多く,一般化することが難しいと言われてきたが,サラスバシーは優れた起業家には共通の思考プロセスがあることを発見・体系化し,それを「Effectuation: Elements of Entrepreneurial Expertise1)(以下原著)」(邦訳:エフェクチュエーション−市場創造の実効理論2))として2008年に発表した.一言でいえば,エフェクチュエーションは過去の情報から未来を予測できない状況でイノベーションを生み出す方法論である.本稿ではエフェクチュエーション理論の解説と,さらには一見対立する様に見えるデータ駆動型意思決定との融合についてビジネス開発の実体験を踏まえて考察する.

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© 2020 日本信頼性学会
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