抄録
本研究の目的は,保育カンファレンスにおける保育者の談話スタイルと,その規定要因について検討することである。本研究では,4つの幼稚園における22人の保育者を対象に,保育ビデオの場面について話し合ってもらい,談話の内容を分析した。研究の結果,保育者の2つの談話スタイルとその規定要因として,以下が見出された。(1)同僚のことばの相互共有が高いスタイル。このスタイルは,(a)「〜ね」という終助詞,(b)相槌の役割,(c)相手の発言を自分のことばで置き換える行為に規定されていた。(2)同僚のことばの相互共有が低いスタイル。このスタイルは,(a)状況分析,(b)批判的思考,(c)発言者の順序性に関する秩序に規定されていた。