2014 年 52 巻 1 号 p. 116-128
この論文の目的は保育所保育士のワーク・ライフ・バランスの実態,特に両立生活の「難しさ」を明らかにすることである。研究方法として,12歳以下の子を育児中の保育所保育士7名に対するインタビュー調査を行った。その結果,主体的条件,職場の条件,家庭の条件,社会的条件の4条件について,保育士個々に多様であった。そこで,筆者は就労の継続要因と中断要因を考慮して分析した。結論として,就労継続や両立の「難しさ」は,本人の母親意識,職場や家庭,社会資源の状況にあることが明らかになった。