抄録
本稿の目的は,保育者が日常的に個々の子どもを解釈・意味づけするプロセスに着目し,保育者による子ども理解の特質を探究することである。その際,2名の保育者による保育の省察を分析と考察の対象とした。本稿の結果として,まず保育者が,成長と関連づけて子どもを理解しようとする志向性を有していることがわかった。次に,保育者が子どもに対して抱いている課題意識が,その子を理解する際のパースペクティブとして機能していることが明らかになった。そして,子どもを理解することが保育者の成長を促すということが示唆されており,そのような相互成長的な理解の様式が保育者による子ども理解の特質であると位置づけることができる。