抄録
本研究では,スウェーデンの保育改革について,特に1972年の幼保一元化から2011年の就学前学校ナショナルカリキュラムの改訂に至るまでの期間に着目し,保育制度と国家体制の関係性の観点から,改革の動向を分析することを目的とする。検討の結果,スウェーデンは福祉国家として歩む中で,1930年代以降,「民主主義的」で「質の高い」保育を「公的な施設」で提供する方針を一貫して進めてきたと考えられる。その結果,スウェーデンは,保育を人口政策から教育政策へと転換させ,「福祉国家」の基盤となる人的資本を育成するための新しい教育活動を形成するに至ったと捉えられる。