保育学研究
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原著<論文>
保護者と保育者の協同的な学び
―認定こども園における保護者会の事例から―
島津 礼子
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2016 年 54 巻 3 号 p. 32-42

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抄録

本研究では,子どもの最善の利益につながる保護者と保育者の協同的な学びを明らかにするために,ある認定こども園の保護者会に着目した。保護者と保育者による協同的な学びを分析するための理論的枠組みとして,ロゴフの「導かれた参加」,「徒弟制」,「参加による専有」という 3 つの概念を用いた。これらの概念は,社会文化的活動を個人間,個人とコミュニティ間,個人内の異なる視角から捉え,協同的な学びの全体像を明らかにするものである。

保護者会が再編されてから現在までの資料,園長,保護者へのインタビューデータを元に分析した。結果として,保護者と保育者は異なる子育て観を持ち,保護者会の再編の過程において互いに理解や学びを得ていることが明らかになった。最終的に,KJ 法により両者の協同的な学びを表す概念図を作成し,協同的な学びが支援の枠組みを変える可能性を示唆した。

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© 2016 一般社団法人 日本保育学会
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