本研究では,母子遊びにおいて観察された未就園の2歳児の基本的動きの経年変化を,動作発達の視点から検討した。対象は,2004・2005年度(Ⅰ期)の2歳児112名,2010・2011年度(Ⅱ期)の2歳児112名であった。記録された35の基本的動きのうち八つの動きにおいて,それらがみられた子どもの人数比率に期による違いが認められた。Ⅱ期ではⅠ期に比べ,かがむ,しゃがんだ姿勢をとる,またぐなどの不安定な姿勢での動きを示した子どもの割合が低く,遊びの最中にころんだ子どもの割合が高かった。運動能力の低下の兆しは,2歳代から既にみられることが示唆された。