2017 年 55 巻 3 号 p. 9-20
家庭教育環境や社会の急激な変化に伴い,子育て支援の必要性は益々高まり,複雑化している。それに応じるため,2000年以降子育て支援や家庭との連携は保育者の職務として規定されることとなった。また,この10年,地域子育て支援は,広がり,発展しつつある。これらを踏まえ,子育て支援や家庭との連携と関わる保育者の専門性の再概念化を図る必要性があると考える。そのために,本研究では,家庭との関係性についての保育者の専門性について,規定や養成要件,保育の質評価の指標,さらには関連する議論について文献を中心に検討した。その結果,家庭支援のみならず,家庭との連携,さらにはパートナーシップの構築による協働が保育者の専門性として位置づけられることが明らかになった。