2019 年 57 巻 1 号 p. 79-89
専門職者の就職前の期待と就職後の経験との間のギャップへの認知はリアリティショックと呼ばれる状態を引き起こし,早期離職につながると考えられる。本研究の目的は,リアリティショックを引き起こすと考えられる,新人保育士が認知するギャップを抽出し分類することである。11名の保育士への半構造化インタビューから84の内容を取り出した。33名の分類者の分類結果から,内容同士の距離を計算した。距離行列をもとにクラスター分析と多次元尺度法(MDS)を行った。結果,ギャップは10のカテゴリーに分類された。「仕事への非対応―対応」と「関わる対象が大人―子ども」の2次元が見出された。